2009年03月22日

第8回芸術文化コース公演映像

○2007/02/17 第8回芸術文化コース公演  場所:伊集院文化会館 開演時間:午後3時から

第8回芸術文化コース公演演劇ビデオ集

タイトル「ギター」

第1章



第2章



第3章



第4章



第5章の1



第5章の2



第5章の3



第8回芸術文化コース公演脚本(タイトル ギター)
<原作 松尾 恵  脚本 藤村 恭一>
第一幕
(ナレーション)
ある少年がいる。彼は、自分に自信もなく、何のために生きているのか分からないと悩んでいた。街を歩いていても、教室にいても、公園にいても・・・・
周りの人は楽しそうに話をしている。
木々の鳥にさえ、嫉妬していた。
少年は、必ず立ち寄る場所があった。そこは、町の小さなレッスン場の隣の公園だ。
なぜか、その場所に自然と足が向いている。理由は少年にも分からなかった。
だが、そこに行くと心がほっとするような気がしていた。
※演技場所 引き幕前
(緞帳開く)
鳥の声がする(BGM 演劇1)
公園のベンチに少年が座って本を読んでいる。
上手から二人の少女が楽しそうに歩いてきて、少年の前を通り過ぎる。
少女A「今日のダンスの先生は、髙木先生だよね。」
少女B「かっこいいよね、髙木先生!私、ちょっと趣味かな?」
少女A「今日から新しい振り付けだって!」
少女B「そうそう。ヒップホップやるって言ってたね・楽しみだな。」
二人は、舞台下手へ
上手から、二人の青年がやってきて少年の前を通り過ぎる。
青年A「おい、またいるぞあいつ。」
青年B「毎日この時間になるとあそこで本読んでる。」
二人が少年の方を見ていると、少年はそのことに気づき、こそこそと立ち上がり、上手へ去る。
青年A「何なんだ あいつ!」
青年B「まあいいじゃないか どうでも!・・・お!そうだ今日のダンスレッスンはヒップホップだってよ!」
二人は、下手へ引っ込む。
少年がまた、上手から出てくる。中央で空を見上げる。
少年「いいなぁ鳥は空を自由に飛べて。きっと気持ちがいいだろうな。」
(うらやましそうに、空を眺めた後、自分の足元を見つめる。)
少年「あの人たち、レッスン場で今からダンスレッスンか、毎日楽しそうだな。」
少年「それにくらべて、僕はいったい、何をやってるんだろう。・・・何をしたいんだろう。」
(悲しげにうったえる。)
ダンスの曲が聞こえる。映像を映す。(ダンスのレッスン映像)
少年「あ!レッスンが始まったみたいだなあ!」
少年はそういって、下手のダンスのスタジオをのぞいてみる。
そこへ、ギターケースを持った少女が上手から現れる。
少女「何してるの?」
突然、後ろから呼びかけられ、驚いた少年は走って上手へ逃げる。その時ギターケースにあたり、少女はギターケースを落とす。
少年は一瞬立ち止まるが、そのまま上手へ走り去る。
少女は、ギターケースを拾いながら不思議そうに上手を眺めている。
(暗転 一旦絞り幕降りてダンス前に幕が開く)
ダンス・歌演技

第二幕

(ナレーション)
少年は、急に話しかけられて、何も言わず逃げ出してしまった。
その時少女が落としたギターケースが気になったが、他人と話をすることが怖くて仕方なかった。
彼も本当は誰かと話しをしたいと思っている。
そして、何かで自分を表現したいと思っている。
でも、何をしていいのか分からない。
自分で自分のできることを制約してしまっていた。

少年は、公園から自宅に帰って、音楽を聴いていた。
彼は、音楽の世界に憧れを抱いていた。

※演技場所 張り出し舞台
(少年の自宅)歩き回りながら
少年「せっかく話しかけられたのになんで逃げたんだろう。
僕、ただの怪しい人になってるよ。
あの子が持っていたのはギターケースだったな。
あの子ギター弾くんだろうか?ギター大丈夫だったかな?
僕のせいでギターが壊れていたらどうしよう!」
悩みながら椅子に座る。
少年「あの子もあのレッスン場でレッスンしているんだろうか?」
少年「あのレッスン場の人たちは楽しそうだったなぁ。なんで、あんなに楽しそうなんだ。」
少年「はぁ、どうせ僕には何もできない。何もできないよ。なんで僕はここにいるんだろう。」

雨音(BGM 演劇2)

しばらく頭を抱えているが、雨の音に気づき、たちあがって、窓を見に行く。
少年は、CDデッキを取り出し、ヘッドホンをつけて音楽を聴き始める。
少年「この歌を歌っている人だってきっと、楽しいんだろうな。」
音楽を聴きながら。
少年「大勢の観衆の前で、歌を歌うって、どんな気持ちなんだろう。僕にはそういうことできそうじゃない。」
(自分の想像の世界に入る目をして)
(暗転)


第三幕
(ナレーション)
少年は、今日も公園に来ていた。
ギターを持っていた少女のギターが壊れていないかが不安だった。
公園の隣のレッスン場では、いつものように楽しそうにダンスをしている人がいた。

※演技場所 引き幕前
(公園)
鳥の声がする(BGM 演劇3)
少年が公演でまたベンチに座って本を読んでいる。
上手から、二人の青年がやってきて少年の前を通り過ぎる。
青年A「おい、今日もまたいるぞあいつ。」青年A立ち止まる。青年B振り返って。
青年B「あいつなんか気にしてる場合じゃないぞ・・行こう。」
二人があわてて下手へ引っ込む。少年は、本を読むのをやめ立ち上がって。
少年「ダンスかぁダンス・・僕にもできるかなぁ・・・・。でも、僕はダンスって感じじゃないよなぁ。」
少年は、下手に行き、レッスン場の入り口で考えている。すると、後ろから声をかけられた。
あのギターを持っていた少女だった。
少女「あれ、あなたはこの前の・・・」
少年「あっこの前はごめんなさい。ギター大丈夫でした?・・・
あの・僕・怪しいものではないんです。ただ、楽しそうだったから・・・ごめんなさい。」
少女「ギターなら大丈夫!」
少年「ギ・ギター習っているん・・・ですか?」
少女「ウン!ダンスとギターとね! 私、これからレッスンなの。」
少女は、立ち去ろうとする。二三歩歩き立ち止まり少年を振り返って。
少女「ねえ! レッスンの前に、先輩のライブがこれからあるから見ない?その後に中でレッスン見学しよう!」
少年「え?ライブ!・・レッスン見学!」
(戸惑って)
少女「そう!ライブを見て、そしてレッスン見学して、その気になったレッスン受けよう!」
少年「え!レッスン受けるって、ダンスの?・・ぼ・僕はしたことないし・・ダンス!・・・・」
少女「誰だって、したことないとこから始めるんだよ。何かするには、みんな初めてがあるじゃない。・・・じゃ!今日は見学ってことで、するかしないかは、後で決めれば良いよ」(笑顔で)
少女は強引に少年の手を引いた。
少年「え!でも」
少女「今日は、先輩のライブがあるの。もうすぐチャンスをつかめるって話をしていたわ。」
(うれしそうに)
少年「チャンス?!何の?!」(困惑気味に)
少女「インディーズCD出すチャンス!奥のステージで今から、先輩がライブを始めるわ。行こう。」
少年「え!いいの?」(こわごわと)
少女「もちろん!!」(元気よく)
(暗転 一旦絞り幕が下りてダンス前に幕が開く)
数曲歌とダンスを入れるそのラストに蒲牟田(歌)

第四幕
(ナレーション)
少年は、
あまり年も変わらないのに、大勢の前で堂々と歌を歌える彼がまぶしく感じた。
今まで、自分から他人と話をしたいとは思ったことは無かったのに、どうしても、歌を歌った彼と話をしたくてたまらなく感じた。

※演技場所 張り出し舞台
少年と少女が下手からやってくる。

少年「あの先輩のラップすごいです。」
少女「インディーズCDだすくらいだからね!」
少年「あの!あの先輩に合わせてください。」
少女「いいよ!呼んでくる。」
少女は先輩を呼びに上手へ引っ込み先輩と一緒に上手から出てくる。」
少年「すごい!すごいです!!」(興奮気味)
カマ「で!俺に合いたいってお前?お前だれ?!」
少女「先輩、彼は、今日始めてここに来たの。・・・ライブ見て合いたいって!」
カマ「そう・・、で、おれの歌どうだった?」
少年「すごいです。ほんとにすごいです。なんで、そんなに・・・」
カマ「まぁ、好きなことだからかなぁ。おれにはこれしかないと思っているから。
っていうより、これが俺そのものだからかな」
少年「あ!握手してください。」
カマ「え!いいけど。」
二人は握手する。
仲間「おーい、かま―、まだかよ!!次行くぞ!!」(大きな声で呼ぶ)
カマ「ごめ~ん今行くよ!!じゃ、あいつらが呼んでるから。」
カマ上手へ引っ込む。
少年「そうかぁ・・・。好きなことかぁ。ぼくの好きなことってなんだろう。」
少女「じゃぁ、今度は私の、ダンスのレッスン見学ねその後ギターのレッスン見学!・・・
ギター持ってくれる?」
ギターケースを少年に渡す。
少年「え!うん!」
(暗転)
ダンス

第五幕
(ナレーション)
少年はレッスン場に通うようになった。とにかく夢中になれるものを見つけたかった。
レッスンを始めて2ヶ月たって、自分の限界を感じ始めていた。

また、あの少女にあって元気をもらいたかったが、少女は、ライブの日からレッスンに来なくなっていた。
少年は、レッスンをやめようと思い、やめる前にもう一度少女に会おうと思った。

※ 演技場所 張り出し舞台
少年が下手から現れる。
少年が張り出し舞台までくると、少女Aが上手から現れる。
少年「あのー  ちょっといいですか?」
少女A「なに?」
少年「あのー、人を探しているんですが!丸顔で元気な女の子で、ダンスとギターのレッスンを受けていた子なんですが?」
少女A「え?名前は?」
少年「名前を知らないんです。最近ずーっとレッスンに来ていないようなんですが!」
少女Aしばらく考えて
少女A「レッスンきていないっていうと ひょっとしてゆかりのこと?」
少年「ゆかりさんって名前なんですか?そのゆかりさんは、レッスンで見ないようなんですが。」
少女A「知らないの?」
少年「何をですか?」
少女A「ゆかりは、2ヶ月前に交通事故にあって、病院に入院中だよ。」
少年「交通事故!病院!・・・ど・どこの病院ですか!」
少女A「私は知らないの!」
そこへ少女Bが下手からやってくる。
少女A「あ!そうだ!綾香がしってるかも・・・綾香!」綾香を呼ぶ。綾香上手から出る。・・
BGM(演劇5 救急車)
少女B「何?」
少女A「ゆかりの見舞い綾香いったから、どこの病院だか知ってるよね!」
少女B「うん!ゆかりは日置総合病院でリハビリ入院してるよ。」
少年「リハビリ」
少女B「交通事故ひどかったでしょ、まだ病院でリハビリ中」
少年「え!ダンスやギターできなくなったんですか。」
少女B「レッスン? 無理だよ!リハビリがんばってるけどできるようになるかもわかんないし!」
少年「・・・・・・」
少年が黙ってしまったので。
少女B「わたしたちこれからレッスンだから!じゃあ!」
少年「あ!はい!」
(暗転)
暗転し、全員がいなくなったら絞り幕開く・

演技場所 引き幕前
(病院)看護婦が上手から下手へ歩いていく。少女が松葉杖で下手からゆっくり歩いてくる。
時々転びそうになる。上手から少年が現れる。少女が歩く練習をしているのを上手で見つめる。
少女が転ぶ。
少年は、あわてて駆け寄る。
少年「だ!大丈夫ですか?」
少女転んだままで少年を見上げる・
少女「あ!あなたは、あのときの」
少年「はい!あれからレッスン受けています。交通事故にあっていたって知らなくて・」
少年手を貸そうとするが、少女は少年の手をとらずに。
少女「自分でおきるから大丈夫!リハビリになるから・」
少年「もう!ダンスやギターできなくなってしまって、つらいでしょう、僕その気持ちわかります。僕も何もできないから・」
少女 少年を不満そうに見上げ
少女「ダンスもギターもできるようになるよ。そのためにリハビリしてるんだから。」
少年「でも・・・歩けないし!」
少女「私は、ダンスもギターも大好きなの!好きなことは、絶対あきらめないの!」
少年「え!・・・・・・・・・」
少女「あなたもあきらめないでね、私もあきらめないから。きっと好きなことできるようになるから」
少年「・・・・・・・・」
下手から看護婦が来る。
看護婦「古園さん!診察の時間ですよ。診察室に来てください。」
少女「はい!診察だから行くね・」
少年「はい・・・」
少女「名前 聞いてなかったね わたしは、ゆかり」
少年「・・・洋平です・・・・」
少女「洋平君 レッスン場で会おうね。」
少年「・・・・・・・」
少女は、下手へふらつきながら引っ込む。少年は立ち尽くして少女を見つめている。
暗転 幕 BGM(歌前ナレーションBGM)
(ナレーション)
少年は、少女の後ろ姿が脳裏に焼きついた。
そして、自分の中で何かが変わっていくのを感じた。
自分も何かを見つけないといけないと思った。
そして、少年は、自分探しを始めた。
月日がたち、少年は、自分のできることをひとつ見つけた。
第8回芸術文化コース公演映像
第8回芸術文化コース公演映像

※ 演技場所 舞台
(園田歌)
(ナレーション)BGM(ラストBGM)
自分の夢中になれるものを見つけるのは自分。
あきらめて、自分にはできないと考えるのも自分。
自分でないとできないと思うのも自分。
どうせなら、自分を信じてみませんか。
きっと何かができるはずです。あなたが、あなたをあきらめなければ。映像を映す。




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Posted by kf at 21:28 │演劇

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